1. 次の問題を読んで,問題189から問題191までについて答えなさい。
〔事例〕
Fさん(42歳,男性)には,県外に住む5歳下の弟がいる。Fさんは高校を卒業後,アルバイトとして出版社に勤務し,実家で両親と暮らしていた。正社員の誘いもあったが,人間関係が深くなることを過度に懸念し,結局出版社を退職した。その後は派遣社員としてWebデザインの仕事に就いても,正社員に誘われると不安が強くなり退職を繰り返していた。
40歳のとき,「隣人から盗撮されている」と注察妄想様の訴えがでてきた。そのため,父親の知人のG精神保健福祉士が勤める精神科病院に父親に連れられ受診した。統合失調症と診断を受け,薬を処方されたが,「診察した医師が話を聞いてくれなかった」と不満を述べ,薬も合わないといって2回飲んだだけで服薬を自己中断した。3か月後,父親が飲酒運転の車にはねられ交通事故死した。父親の死後,母親は認知症を罹患し保佐人がつくようになった。Fさんは母親の介護のため,働くことができなくなった。注察妄想様の訴え自体はなくならなかったが,以前より目立たなくなっていた。しかし,弟が父親の三回忌で実家に帰ったとき,Fさんが隣家に向かって怒鳴ってトラブルになりかけていた。すぐに弟はG精神保健福祉士へ相談して,Fさんを精神科病院に受診させ,診察に同席した。診察時,Fさんは,隣人の盗撮以前から仕事を辞めた日は必ず隣家から笑い声が聞こえて嫌がらせを受けていたと話した。Fさんは自傷他害のおそれはなかったが,興奮状態であった。「自分は悪くないから帰る」と入院を拒否したため,医療および保護が必要と判断され本人の同意に基づかない強制入院となった。(問題189)
診察した精神保健指定医は,Fさんに対して今回の入院形態についての説明を試みたが,Fさんは興奮して聞ける状態ではなかったため,口頭のみで入院の告知をした。(問題190)
加えてFさんの状態は,本人または周囲に危険が及ぶ可能性が高く,個室にてほかの患者から遮断する必要があると判断され,隔離処遇となった。保護室に入ったFさんは,G精神保健福祉士を呼んでもらい,母親に手紙を書きたいと相談した。(問題191)
問題 189 次のうち,Fさんの入院形態として,正しいものを1つ選びなさい。
問題 189 正答 4
1 誤り。
措置入院は,2名以上の精神保健指定医による診察の結果,精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれ(自傷他害のおそれ)があると認めたとき,都道府県知事の命令によって精神科病院に入院させる入院形態のことである。措置入院の診察は申請や通報に基づき都道府県知事の権限によって行われる。Fさんは診察で自傷他害のおそれを否定されている(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第27条・29条)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,pp.52~53)
2 誤り。
応急入院は,本人及び家族等の同意を得ることができない場合の入院形態である。精神保健指定医による診察の結果,直ちに入院させなければ精神障害者の医療及び保護を図る上で著しく支障があると判断されたとき,72時間に限って応急入院指定病院に入院させることができる入院形態のことである(精神保健福祉法第33条の7)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.54)
3 誤り。
市町村長同意による医療保護入院は,家族等がない場合やその家族等の全員がその意思を表示することができない場合に限られる。家族等が意思表示できないとは,心神喪失の場合等が該当し,被後見人又は被保佐人と同等の意思能力である場合等を指すとされる。また,精神保健指定医診察の結果,医療及び保護のため入院の必要があり,任意入院が行われる状態にないと判定したときに適用される(精神保健福祉法第33条)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53,厚生労働省「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律等の施行に伴うQ&A」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaisei_seisin/dl/jimu_renraku-02.pdf))
4 正しい。
医療保護入院は,本人の同意を得ずして家族等の同意によって精神科病院に入院させる制度である。家族等には,精神障害者の配偶者,親権を行う者,扶養義務者及び後見人または保佐人が定められ,優先順位はなく,いずれかの者の同意とする。今回の事例では,弟が精神科病院に相談し入院時の診察に同席しており,母親は認知症で保佐人がついていることから,弟が同意者となる(精神保健福祉法第33条第1項・第2項)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53)
5 誤り。
医療保護入院の家族等の同意は,家族等のうちいずれかの者の同意とされる。Fさんの母親は,認知症を患い,保佐人がついているため同意者は弟のほうが適当といえる(精神保健福祉法第33条第1項・第2項)。2013年(平成25年)の改正精神保健福祉法によって保護者制度は廃止された。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53,pp.63~64)
問題 189 正答 4
1 誤り。
措置入院は,2名以上の精神保健指定医による診察の結果,精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれ(自傷他害のおそれ)があると認めたとき,都道府県知事の命令によって精神科病院に入院させる入院形態のことである。措置入院の診察は申請や通報に基づき都道府県知事の権限によって行われる。Fさんは診察で自傷他害のおそれを否定されている(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第27条・29条)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,pp.52~53)
2 誤り。
応急入院は,本人及び家族等の同意を得ることができない場合の入院形態である。精神保健指定医による診察の結果,直ちに入院させなければ精神障害者の医療及び保護を図る上で著しく支障があると判断されたとき,72時間に限って応急入院指定病院に入院させることができる入院形態のことである(精神保健福祉法第33条の7)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.54)
3 誤り。
市町村長同意による医療保護入院は,家族等がない場合やその家族等の全員がその意思を表示することができない場合に限られる。家族等が意思表示できないとは,心神喪失の場合等が該当し,被後見人又は被保佐人と同等の意思能力である場合等を指すとされる。また,精神保健指定医診察の結果,医療及び保護のため入院の必要があり,任意入院が行われる状態にないと判定したときに適用される(精神保健福祉法第33条)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53,厚生労働省「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律等の施行に伴うQ&A」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaisei_seisin/dl/jimu_renraku-02.pdf))
4 正しい。
医療保護入院は,本人の同意を得ずして家族等の同意によって精神科病院に入院させる制度である。家族等には,精神障害者の配偶者,親権を行う者,扶養義務者及び後見人または保佐人が定められ,優先順位はなく,いずれかの者の同意とする。今回の事例では,弟が精神科病院に相談し入院時の診察に同席しており,母親は認知症で保佐人がついていることから,弟が同意者となる(精神保健福祉法第33条第1項・第2項)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53)
5 誤り。
医療保護入院の家族等の同意は,家族等のうちいずれかの者の同意とされる。Fさんの母親は,認知症を患い,保佐人がついているため同意者は弟のほうが適当といえる(精神保健福祉法第33条第1項・第2項)。2013年(平成25年)の改正精神保健福祉法によって保護者制度は廃止された。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53,pp.63~64)
問題 189 正答 4
1 誤り。
措置入院は,2名以上の精神保健指定医による診察の結果,精神障害のために自身を傷つけ又は他人に害を及ぼすおそれ(自傷他害のおそれ)があると認めたとき,都道府県知事の命令によって精神科病院に入院させる入院形態のことである。措置入院の診察は申請や通報に基づき都道府県知事の権限によって行われる。Fさんは診察で自傷他害のおそれを否定されている(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)第27条・29条)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,pp.52~53)
2 誤り。
応急入院は,本人及び家族等の同意を得ることができない場合の入院形態である。精神保健指定医による診察の結果,直ちに入院させなければ精神障害者の医療及び保護を図る上で著しく支障があると判断されたとき,72時間に限って応急入院指定病院に入院させることができる入院形態のことである(精神保健福祉法第33条の7)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.54)
3 誤り。
市町村長同意による医療保護入院は,家族等がない場合やその家族等の全員がその意思を表示することができない場合に限られる。家族等が意思表示できないとは,心神喪失の場合等が該当し,被後見人又は被保佐人と同等の意思能力である場合等を指すとされる。また,精神保健指定医診察の結果,医療及び保護のため入院の必要があり,任意入院が行われる状態にないと判定したときに適用される(精神保健福祉法第33条)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53,厚生労働省「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律等の施行に伴うQ&A」(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaisei_seisin/dl/jimu_renraku-02.pdf))
4 正しい。
医療保護入院は,本人の同意を得ずして家族等の同意によって精神科病院に入院させる制度である。家族等には,精神障害者の配偶者,親権を行う者,扶養義務者及び後見人または保佐人が定められ,優先順位はなく,いずれかの者の同意とする。今回の事例では,弟が精神科病院に相談し入院時の診察に同席しており,母親は認知症で保佐人がついていることから,弟が同意者となる(精神保健福祉法第33条第1項・第2項)。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53)
5 誤り。
医療保護入院の家族等の同意は,家族等のうちいずれかの者の同意とされる。Fさんの母親は,認知症を患い,保佐人がついているため同意者は弟のほうが適当といえる(精神保健福祉法第33条第1項・第2項)。2013年(平成25年)の改正精神保健福祉法によって保護者制度は廃止された。
(『精神保健福祉に関する制度とサービス』中央法規出版,p.53,pp.63~64)