問題 114 正答 2,3
強迫性障害(強迫症)は,強迫観念(頭に浮かぶ反復的,持続的な思考,衝動,観念)と強迫行為(強迫観念による苦痛,不安を予防もしくは緩和するために行う過剰な行為,行動)が特徴の疾患である。具体的な強迫行為として,過剰に手を洗う,戸締りを何度も確認する,などがある。ICD―10では,強迫性障害は「神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害(F4)」に,DSM―Ⅳでは,不安障害の1つに位置づけられていた。しかしDSM―5では,不安障害(恐怖症,社会不安障害,パニック発作,広場恐怖,全般性不安性障害)から独立し,新たに「強迫症および関連症群(Obsessive-Compulsive and Related Disorders)」という疾患カテゴリーが設けられ,強迫性障害はその中核的な疾患として位置づけられた。本障害は,神経シナプス間隙において,神経伝達物質の1つであるセロトニンが異常(不足)をきたすことが主病態と考えられている。治療法としては,薬物療法のほか,精神療法が有効な手段となる。
1 誤り。
強迫性障害の平均発症年齢は20歳前後で,35歳以上の発症はまれであると報告されている。ちなみに,一般人口における強迫性障害の生涯有病率は,2~3%と推定され,成人ではその罹患に性差は認められない。
(尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉『標準精神医学(第7版)』医学書院,2018年(以下『標準精神医学』医学書院),p.261)
2 正しい。
強迫性障害における薬物療法の第一選択は,セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)であり,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ薬のクロミプラミンなどが使用される。なお,強迫観念が妄想様であるような場合には,リスペリドンなどの非定型抗精神病薬も用いられる。
(『標準精神医学』医学書院,p.261)
3 正しい。
強迫性障害における代表的な精神療法として,曝露反応妨害法(Exposure and Response Prevention:ERP)がある。曝露反応妨害法は認知行動療法の1つであり,あえて強迫観念や不安が惹起されるような場面に患者を直面させ,強迫行為を我慢する中で,不安が軽減できることを患者自身が体験する手法である。
(『標準精神医学』医学書院,p.261,『精神疾患とその治療』中央法規出版,pp.233~234)
4 誤り。
上述のように,強迫行為は,強迫観念による苦痛,不安を予防もしくは緩和するために行う過剰な行為,行動と考えられている。このことは,強迫観念に支配されると,ほとんどの症例で強い不安や苦痛が生じることを示す。
(『標準精神医学』医学書院,p.260)
5 誤り。
DSM―5における強迫性障害の診断基準では,「強迫観念または強迫行為は,時間を浪費させる(1日1時間以上かかる),または臨床的に著明な苦痛を生じさせたり,社会的・職業的あるいはその他の重要な局面での機能を障害したりする」という項目が存在する。すなわち,強迫症状のために日常生活が障害されていることが,診断の前提となっている。強迫性障害が重症化すると,排泄,入浴,食事などの日常生活動作にも影響を及ぼすようになる。さらには周囲の家族などが,強迫行為に巻き込まれることもみられる。
(井上令一監,四宮滋子・田宮聡監訳『カプラン臨床精神医学テキスト―DSM―5診断基準の臨床への展開(第3版)』メディカル・サイエンス・インターナショナル,2016年(以下『カプラン臨床精神医学テキスト』メディカル・サイエンス・インターナショナル),pp.469~478)
問題 114 正答 2,3
強迫性障害(強迫症)は,強迫観念(頭に浮かぶ反復的,持続的な思考,衝動,観念)と強迫行為(強迫観念による苦痛,不安を予防もしくは緩和するために行う過剰な行為,行動)が特徴の疾患である。具体的な強迫行為として,過剰に手を洗う,戸締りを何度も確認する,などがある。ICD―10では,強迫性障害は「神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害(F4)」に,DSM―Ⅳでは,不安障害の1つに位置づけられていた。しかしDSM―5では,不安障害(恐怖症,社会不安障害,パニック発作,広場恐怖,全般性不安性障害)から独立し,新たに「強迫症および関連症群(Obsessive-Compulsive and Related Disorders)」という疾患カテゴリーが設けられ,強迫性障害はその中核的な疾患として位置づけられた。本障害は,神経シナプス間隙において,神経伝達物質の1つであるセロトニンが異常(不足)をきたすことが主病態と考えられている。治療法としては,薬物療法のほか,精神療法が有効な手段となる。
1 誤り。
強迫性障害の平均発症年齢は20歳前後で,35歳以上の発症はまれであると報告されている。ちなみに,一般人口における強迫性障害の生涯有病率は,2~3%と推定され,成人ではその罹患に性差は認められない。
(尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉『標準精神医学(第7版)』医学書院,2018年(以下『標準精神医学』医学書院),p.261)
2 正しい。
強迫性障害における薬物療法の第一選択は,セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)であり,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ薬のクロミプラミンなどが使用される。なお,強迫観念が妄想様であるような場合には,リスペリドンなどの非定型抗精神病薬も用いられる。
(『標準精神医学』医学書院,p.261)
3 正しい。
強迫性障害における代表的な精神療法として,曝露反応妨害法(Exposure and Response Prevention:ERP)がある。曝露反応妨害法は認知行動療法の1つであり,あえて強迫観念や不安が惹起されるような場面に患者を直面させ,強迫行為を我慢する中で,不安が軽減できることを患者自身が体験する手法である。
(『標準精神医学』医学書院,p.261,『精神疾患とその治療』中央法規出版,pp.233~234)
4 誤り。
上述のように,強迫行為は,強迫観念による苦痛,不安を予防もしくは緩和するために行う過剰な行為,行動と考えられている。このことは,強迫観念に支配されると,ほとんどの症例で強い不安や苦痛が生じることを示す。
(『標準精神医学』医学書院,p.260)
5 誤り。
DSM―5における強迫性障害の診断基準では,「強迫観念または強迫行為は,時間を浪費させる(1日1時間以上かかる),または臨床的に著明な苦痛を生じさせたり,社会的・職業的あるいはその他の重要な局面での機能を障害したりする」という項目が存在する。すなわち,強迫症状のために日常生活が障害されていることが,診断の前提となっている。強迫性障害が重症化すると,排泄,入浴,食事などの日常生活動作にも影響を及ぼすようになる。さらには周囲の家族などが,強迫行為に巻き込まれることもみられる。
(井上令一監,四宮滋子・田宮聡監訳『カプラン臨床精神医学テキスト―DSM―5診断基準の臨床への展開(第3版)』メディカル・サイエンス・インターナショナル,2016年(以下『カプラン臨床精神医学テキスト』メディカル・サイエンス・インターナショナル),pp.469~478)
問題 114 正答 2,3
強迫性障害(強迫症)は,強迫観念(頭に浮かぶ反復的,持続的な思考,衝動,観念)と強迫行為(強迫観念による苦痛,不安を予防もしくは緩和するために行う過剰な行為,行動)が特徴の疾患である。具体的な強迫行為として,過剰に手を洗う,戸締りを何度も確認する,などがある。ICD―10では,強迫性障害は「神経症性障害,ストレス関連障害および身体表現性障害(F4)」に,DSM―Ⅳでは,不安障害の1つに位置づけられていた。しかしDSM―5では,不安障害(恐怖症,社会不安障害,パニック発作,広場恐怖,全般性不安性障害)から独立し,新たに「強迫症および関連症群(Obsessive-Compulsive and Related Disorders)」という疾患カテゴリーが設けられ,強迫性障害はその中核的な疾患として位置づけられた。本障害は,神経シナプス間隙において,神経伝達物質の1つであるセロトニンが異常(不足)をきたすことが主病態と考えられている。治療法としては,薬物療法のほか,精神療法が有効な手段となる。
1 誤り。
強迫性障害の平均発症年齢は20歳前後で,35歳以上の発症はまれであると報告されている。ちなみに,一般人口における強迫性障害の生涯有病率は,2~3%と推定され,成人ではその罹患に性差は認められない。
(尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉『標準精神医学(第7版)』医学書院,2018年(以下『標準精神医学』医学書院),p.261)
2 正しい。
強迫性障害における薬物療法の第一選択は,セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)であり,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ薬のクロミプラミンなどが使用される。なお,強迫観念が妄想様であるような場合には,リスペリドンなどの非定型抗精神病薬も用いられる。
(『標準精神医学』医学書院,p.261)
3 正しい。
強迫性障害における代表的な精神療法として,曝露反応妨害法(Exposure and Response Prevention:ERP)がある。曝露反応妨害法は認知行動療法の1つであり,あえて強迫観念や不安が惹起されるような場面に患者を直面させ,強迫行為を我慢する中で,不安が軽減できることを患者自身が体験する手法である。
(『標準精神医学』医学書院,p.261,『精神疾患とその治療』中央法規出版,pp.233~234)
4 誤り。
上述のように,強迫行為は,強迫観念による苦痛,不安を予防もしくは緩和するために行う過剰な行為,行動と考えられている。このことは,強迫観念に支配されると,ほとんどの症例で強い不安や苦痛が生じることを示す。
(『標準精神医学』医学書院,p.260)
5 誤り。
DSM―5における強迫性障害の診断基準では,「強迫観念または強迫行為は,時間を浪費させる(1日1時間以上かかる),または臨床的に著明な苦痛を生じさせたり,社会的・職業的あるいはその他の重要な局面での機能を障害したりする」という項目が存在する。すなわち,強迫症状のために日常生活が障害されていることが,診断の前提となっている。強迫性障害が重症化すると,排泄,入浴,食事などの日常生活動作にも影響を及ぼすようになる。さらには周囲の家族などが,強迫行為に巻き込まれることもみられる。
(井上令一監,四宮滋子・田宮聡監訳『カプラン臨床精神医学テキスト―DSM―5診断基準の臨床への展開(第3版)』メディカル・サイエンス・インターナショナル,2016年(以下『カプラン臨床精神医学テキスト』メディカル・サイエンス・インターナショナル),pp.469~478)