問題 32 正答 1
1 正しい。
19世紀後半,キリスト教(メソジスト派) の牧師であったイギリス人のウィリアム・ブース(Booth, W.)が,軍隊のように組織化された慈善団体「救世軍」(The Salvation Army)を創設し,1895 年(明治28年)には12人のイギリス人士官(伝道者) が日本に上陸し,活動を始めた。その後,日本人最初の救世軍士官(中将)となった山室軍平は,1906年(明治39年),日露戦争後の日本社会で「貧乏と戦う貧困家庭を慰問激励しよう」と提唱し,この取組みが「歳末たすけあい運動」の始まりとなった。その後, 昭和初期の世界的な不況により困窮する人たちが増加し,方面委員(現在の民生委員・児童委員の前身)の関連団体が「歳末同情週間」として募金活動に取り組んだ。しかしながら,日中戦争以降の戦時国家体制下で募金活動は中断することになった。(救世軍ホームページ,「地域歳末たすけあい」赤い羽根共同募金ホームページ)
2 誤り。
1921年(大正10年)に中央慈善協会は社会事業協会に改称され,さらに1924年(大正13年)の法人化で中央社会事業協会に改称された。大正時代になると社会情勢の変化や労働問題が顕在化し,当時の政府は「救貧救助」政策から「防貧救助」政策に変更し, 関連政策・施策を内務省社会局に一元化した。この時期以降,慈善事業は社会事業と呼称されるようになり,中央慈善協会も社会事業協会に改称された。なお,「慈善団体の統一」や「慈善団体と慈善家との連絡を図ること」,慈恵事業の「指導奨励」を目的とした中央慈善協会は1908年(明治41年)に設立された。(全国社会福祉協議会ホームページ「全社協のあゆみ」)
3 誤り。
1982年(昭和57年)に,全国社会福祉協議会に設置された「福祉教育委員会」は,福祉教育を「平和と民主主義社会をつくりあげるために,歴史的にも社会的にも疎外されてきた社会福祉問題を素材として学習すること」であり,学習者が支援を必要とする人たちと「ともに手をたずさえて豊かにいきていく力, 社会福祉問題を解決する実践力を身につけることを目的に行われる意図的な活動」であると定義した。選択肢の記述は,2005年(平成17年)に全国社会福祉協議会が公表した「社会福祉協議会における福祉教育推進検討委員会報告書」における福祉教育の定義である。(全国社会福祉協議会「市区町村社会福祉協議会ボランティア・市民活動センター強化方策2015」p.10)
4 誤り。
1995年(平成7 年)の阪神・淡路大震災を契機に,日本では,ボランティア活動の重要性が認識されてきた。全国の社会福祉協議会が把握するボランティア数は10年間で約1.5倍に増加し,内閣府の調査結果では特定非営利活動法人(NPO)の活動やボランティア活動に参加したいと考えている人は5 割を超えている。さらに近年は,自立した個人が地域社会で主体的に支え合う「新たな支え合い」(共助)の領域を拡大・強化することが地域福祉の課題に位置づけられている。このような動向の中で,ボランティアやNPO,住民団体による活動が期待されている。(これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書「地域における『新たな支え合い』を求めて――住民と行政の協働による新しい福祉――」p. 8 )
5 誤り。
重層的支援体制整備事業は,2020年(令和2 年)に制定された地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(「地域共生社会一括法」)において新たに創設された事業である。市町村は,地域生活課題を抱える地域住民及びその世帯に対する支援体制並びに地域住民等による地域福祉の推進のために必要な環境を一体的かつ重層的に整備する事業として,①包括的相談支援事業,②参加支援事業, ③地域づくり事業を3 本柱とする,重層的支援体制整備事業を行うことができる(社会福祉法第106条の4 )。なお,2017年(平成29年)の「地域包括ケアシステム強化法」では,市町村による地域住民と行政等との協働による包括的支援体制づくり,福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の策定の努力義務化など,地域共生社会の実現に向けた取組みの推進等が行われた。
問題 32 正答 1
1 正しい。
19世紀後半,キリスト教(メソジスト派) の牧師であったイギリス人のウィリアム・ブース(Booth, W.)が,軍隊のように組織化された慈善団体「救世軍」(The Salvation Army)を創設し,1895 年(明治28年)には12人のイギリス人士官(伝道者) が日本に上陸し,活動を始めた。その後,日本人最初の救世軍士官(中将)となった山室軍平は,1906年(明治39年),日露戦争後の日本社会で「貧乏と戦う貧困家庭を慰問激励しよう」と提唱し,この取組みが「歳末たすけあい運動」の始まりとなった。その後, 昭和初期の世界的な不況により困窮する人たちが増加し,方面委員(現在の民生委員・児童委員の前身)の関連団体が「歳末同情週間」として募金活動に取り組んだ。しかしながら,日中戦争以降の戦時国家体制下で募金活動は中断することになった。(救世軍ホームページ,「地域歳末たすけあい」赤い羽根共同募金ホームページ)
2 誤り。
1921年(大正10年)に中央慈善協会は社会事業協会に改称され,さらに1924年(大正13年)の法人化で中央社会事業協会に改称された。大正時代になると社会情勢の変化や労働問題が顕在化し,当時の政府は「救貧救助」政策から「防貧救助」政策に変更し, 関連政策・施策を内務省社会局に一元化した。この時期以降,慈善事業は社会事業と呼称されるようになり,中央慈善協会も社会事業協会に改称された。なお,「慈善団体の統一」や「慈善団体と慈善家との連絡を図ること」,慈恵事業の「指導奨励」を目的とした中央慈善協会は1908年(明治41年)に設立された。(全国社会福祉協議会ホームページ「全社協のあゆみ」)
3 誤り。
1982年(昭和57年)に,全国社会福祉協議会に設置された「福祉教育委員会」は,福祉教育を「平和と民主主義社会をつくりあげるために,歴史的にも社会的にも疎外されてきた社会福祉問題を素材として学習すること」であり,学習者が支援を必要とする人たちと「ともに手をたずさえて豊かにいきていく力, 社会福祉問題を解決する実践力を身につけることを目的に行われる意図的な活動」であると定義した。選択肢の記述は,2005年(平成17年)に全国社会福祉協議会が公表した「社会福祉協議会における福祉教育推進検討委員会報告書」における福祉教育の定義である。(全国社会福祉協議会「市区町村社会福祉協議会ボランティア・市民活動センター強化方策2015」p.10)
4 誤り。
1995年(平成7 年)の阪神・淡路大震災を契機に,日本では,ボランティア活動の重要性が認識されてきた。全国の社会福祉協議会が把握するボランティア数は10年間で約1.5倍に増加し,内閣府の調査結果では特定非営利活動法人(NPO)の活動やボランティア活動に参加したいと考えている人は5 割を超えている。さらに近年は,自立した個人が地域社会で主体的に支え合う「新たな支え合い」(共助)の領域を拡大・強化することが地域福祉の課題に位置づけられている。このような動向の中で,ボランティアやNPO,住民団体による活動が期待されている。(これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書「地域における『新たな支え合い』を求めて――住民と行政の協働による新しい福祉――」p. 8 )
5 誤り。
重層的支援体制整備事業は,2020年(令和2 年)に制定された地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(「地域共生社会一括法」)において新たに創設された事業である。市町村は,地域生活課題を抱える地域住民及びその世帯に対する支援体制並びに地域住民等による地域福祉の推進のために必要な環境を一体的かつ重層的に整備する事業として,①包括的相談支援事業,②参加支援事業, ③地域づくり事業を3 本柱とする,重層的支援体制整備事業を行うことができる(社会福祉法第106条の4 )。なお,2017年(平成29年)の「地域包括ケアシステム強化法」では,市町村による地域住民と行政等との協働による包括的支援体制づくり,福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の策定の努力義務化など,地域共生社会の実現に向けた取組みの推進等が行われた。
問題 32 正答 1
1 正しい。
19世紀後半,キリスト教(メソジスト派) の牧師であったイギリス人のウィリアム・ブース(Booth, W.)が,軍隊のように組織化された慈善団体「救世軍」(The Salvation Army)を創設し,1895 年(明治28年)には12人のイギリス人士官(伝道者) が日本に上陸し,活動を始めた。その後,日本人最初の救世軍士官(中将)となった山室軍平は,1906年(明治39年),日露戦争後の日本社会で「貧乏と戦う貧困家庭を慰問激励しよう」と提唱し,この取組みが「歳末たすけあい運動」の始まりとなった。その後, 昭和初期の世界的な不況により困窮する人たちが増加し,方面委員(現在の民生委員・児童委員の前身)の関連団体が「歳末同情週間」として募金活動に取り組んだ。しかしながら,日中戦争以降の戦時国家体制下で募金活動は中断することになった。(救世軍ホームページ,「地域歳末たすけあい」赤い羽根共同募金ホームページ)
2 誤り。
1921年(大正10年)に中央慈善協会は社会事業協会に改称され,さらに1924年(大正13年)の法人化で中央社会事業協会に改称された。大正時代になると社会情勢の変化や労働問題が顕在化し,当時の政府は「救貧救助」政策から「防貧救助」政策に変更し, 関連政策・施策を内務省社会局に一元化した。この時期以降,慈善事業は社会事業と呼称されるようになり,中央慈善協会も社会事業協会に改称された。なお,「慈善団体の統一」や「慈善団体と慈善家との連絡を図ること」,慈恵事業の「指導奨励」を目的とした中央慈善協会は1908年(明治41年)に設立された。(全国社会福祉協議会ホームページ「全社協のあゆみ」)
3 誤り。
1982年(昭和57年)に,全国社会福祉協議会に設置された「福祉教育委員会」は,福祉教育を「平和と民主主義社会をつくりあげるために,歴史的にも社会的にも疎外されてきた社会福祉問題を素材として学習すること」であり,学習者が支援を必要とする人たちと「ともに手をたずさえて豊かにいきていく力, 社会福祉問題を解決する実践力を身につけることを目的に行われる意図的な活動」であると定義した。選択肢の記述は,2005年(平成17年)に全国社会福祉協議会が公表した「社会福祉協議会における福祉教育推進検討委員会報告書」における福祉教育の定義である。(全国社会福祉協議会「市区町村社会福祉協議会ボランティア・市民活動センター強化方策2015」p.10)
4 誤り。
1995年(平成7 年)の阪神・淡路大震災を契機に,日本では,ボランティア活動の重要性が認識されてきた。全国の社会福祉協議会が把握するボランティア数は10年間で約1.5倍に増加し,内閣府の調査結果では特定非営利活動法人(NPO)の活動やボランティア活動に参加したいと考えている人は5 割を超えている。さらに近年は,自立した個人が地域社会で主体的に支え合う「新たな支え合い」(共助)の領域を拡大・強化することが地域福祉の課題に位置づけられている。このような動向の中で,ボランティアやNPO,住民団体による活動が期待されている。(これからの地域福祉のあり方に関する研究会報告書「地域における『新たな支え合い』を求めて――住民と行政の協働による新しい福祉――」p. 8 )
5 誤り。
重層的支援体制整備事業は,2020年(令和2 年)に制定された地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(「地域共生社会一括法」)において新たに創設された事業である。市町村は,地域生活課題を抱える地域住民及びその世帯に対する支援体制並びに地域住民等による地域福祉の推進のために必要な環境を一体的かつ重層的に整備する事業として,①包括的相談支援事業,②参加支援事業, ③地域づくり事業を3 本柱とする,重層的支援体制整備事業を行うことができる(社会福祉法第106条の4 )。なお,2017年(平成29年)の「地域包括ケアシステム強化法」では,市町村による地域住民と行政等との協働による包括的支援体制づくり,福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の策定の努力義務化など,地域共生社会の実現に向けた取組みの推進等が行われた。